滲み出る虹
ジリリリリリ…


涼はお昼をまわる少し前に起きた。前の晩、遅くまで宿題に没頭していたからまだ眠気が残っている。しかし、目覚めてからの一通りの動きはいつもの様にスムーズだった。


昼食を軽くとると涼は家を出た。もちろん、散歩に出かけた。


8月1日、その日はとても暑い日だった。辺りはセミの声が鳴りやまないので余計に暑く感じた。

涼は途中買ったアイスキャンディーをなめながら街を練り歩いた。今年一番の夏を感じた。


「さて、今日も行ってみますか」
小さく呟いてみた。そしてなんかストーカーみたいだなと少し思ったけど、すぐに忘れた。


足取りは軽かった。涼はあの丘を目指した。
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