【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
大翔さんは「車を回してくるから、入口で待っててくれ」と駐車場の方へと向かって歩き出す。
「由紀乃、お待たせ」
大翔さんの車の助手席に乗り込むと、大翔さんは車を走らせた。
「大翔さんがくれたアドバイスのおかげで、もっといいアップルパイが出来そうな予感がします」
「そうか。それは良かった」
「今日はアップルパイの中身を二種類の組み合わせで作ってみたんですけど、二種類を組み合わせることで甘みと酸味のバランスが取れたような気がします。 バランスとしてはジョナゴールドに紅玉を組み合わせると、甘みと酸味のバランスが、一番いい仕上がりになりそうな感じでした」
わたしが嬉しそうに話したものだから、大翔さんは思わず「興奮してるのか?由紀乃」と微笑みを見せていた。
「あ、ごめんなさい。わたしばかり話してしまって」
「いや、いいんだよ。 由紀乃が楽しそうなら、俺も嬉しいよ」
大翔さんはわたしの頭をポンポンとした。
「わたし、アップルパイ作りに携われて、本当に嬉しいです。 少しずつ、スリーデイズのアップルパイが完成に近付いているので、ワクワクしてるんです」
早く美味しいアップルパイを完成させたい。
「由紀乃のおかげだよ」
「えっ……?」
「由紀乃のおかげで、いいスイーツが出来そうだ」
わたしも嬉しい。美味しいスイーツを作ることが出来て、幸せだ。