【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「由紀乃がいてくれたから、アップルパイというスイーツが出来る。 いずれは、アップルパイをスリーデイズの看板スイーツにするのが俺の夢なんだ」
「看板スイーツ? アップルパイを?」
本当に? 大翔さん、そんなことを思ってくれてるの?
「ああ、どこの店よりもうちのアップルパイが一番美味しいと言ってもらえることが、俺の一番の希望なんだ」
「……大翔さん、素敵です」
大翔さんの素敵な夢を、わたしも一緒に追いかけたい。 大翔さんの夢が叶うように、わたしも頑張りたい。
「そのためには、由紀乃が必要なんだ。 だから由紀乃、これからも俺のために……いや、スリーデイズのために力を貸してくれ」
信号が赤になり車が停止すると、大翔さんからそんな言葉をかけられた。
「はい。もちろんです」
「ありがとう、由紀乃」
大翔さんとこうして話す時間は特別で、幸せで、愛おしい時間だ。
「わたし、必ずアップルパイ成功させますから、見守っててくださいね」
「もちろんだ。由紀乃たちなら、きっと最高のアップルパイを作ってくれると信じている」
こうして大翔さんに握られた手の温もりは、絶対に忘れない。
「大翔さん、わたし大翔さんのことが大好き」
「ん?なんだ、突然」
「ううん。大好きって言いたかっただけ」
大翔さんと出会わなければ、こうしてスリーデイズでアップルパイを作ることもなかった。