【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
わたしが、スリーデイズの社員……?
「なあ、由紀乃」
「うん……?」
大翔さんはわたしを隣に座らせると、「正式に、うちの社員にならないか?」と提案してきた。
「……え?」
「由紀乃を、スリーデイズのスイーツ開発部のリーダーにしたいんだ」
「え、わたしを……リーダーに?」
わたしが、スイーツ開発部のリーダーに……? いや、それはおこがましいよ……。
「でもわたしは……手伝いで来てるだけだし」
「実はお前をリーダーにしたいと言ってきたのは、片山なんだ」
「えっ……片山さんが?」
片山さんが、わたしをリーダーに推してくれたの……? どうして……?
「片山が言ってたよ。 お前のその美味しいアップルパイを作りたいという強い気持ちが、みんなにちゃんと伝わってるって。 片山はお前のこと、よく見てるんだな」
片山さんがわたしのことちゃんと見てくれてるって知ってとても嬉しくて、携わって良かったと思えた。
「お前のそのアップルパイに対する情熱とか気持ちが積み重なっていくうちに、みんなより美味しいアップルパイを作りたいって想いが、強いんだと思うんだ」
「……大翔さん、わたしなんかでいいのかな」
わたしにリーダーが務まるかなんてわからない。やったこともないし、考えたこともなかった。
「由紀乃なら、きっと出来る。 俺が保証する」
「……ありがとう、大翔さん」
わたしに出来るのかはわからないけど、やってみたい。