【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「片山も由紀乃がリーダーなら安心だって言ってるし、どうだ? やってみるか?」

「……うん、やってみたい。 わたしで力になれるのかわからないけど、やってみたい」

 大翔さんはわたしの答えを聞いて安心したのか、「良かった。由紀乃ならそう言ってくれると信じてたよ」と優しく笑った。

「わたしなんかで大丈夫かわからないし、不安もあるけど……わたし、やってみる。 みんなの力に……大翔さんの力になりたい」

「由紀乃、困ったことがあったらいつでも俺を頼ってくれて構わないから。俺で出来ることなら、俺はなんでも協力するから」

 優しい大翔さんの言葉に勇気をもらえたわたしは、来月から正式にスリーデイズの社員として迎え入れてもらえることになった。
 スイーツ開発部のリーダーという肩書きまで手に入れることになったわたしであったが、スリーデイズのために頑張ることを決めた。

「大翔さん、わたし必ずアップルパイ、成功させたい。だから楽しみにしてて」

「ああ、楽しみにしてる」

「うん」
 
 わたしは大翔さんと一緒なら、きっとどんなことも乗り越えられる気がする。 

「アップルパイが完成した暁には、あの有名スイーツショップ【オガタ・カナデ】の店頭にも並べてもらうことになってるんだ」

「えっ! オガタ・カナデ……?!」

 あの有名スイーツショップの、オガタ・カナデ……!?
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