【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


 わたしは大翔さんの隣に座ると、「これも全部、大翔さんのおかげでしかないよ。……ありがとうね、大翔さん」と大翔さんの肩に頭を乗せた。

「由紀乃のそういう謙虚なとこ、俺はすごいなと思うよ」

「えっ……?」

 大翔さんを見つめると、大翔さんは「由紀乃が楽しくスイーツを作ってる姿って、本当に楽しそうなんだよ。本当にスイーツが好きで、スイーツを作ることに命をかけてるってことが、俺は由紀乃を見てるとよくわかるんだ」と話してくれた。

「……本当に、そう思う?」

「ああ。由紀乃がスイーツを愛してるってことはよく伝わってるし、由紀乃が美味しいスイーツをこれからもたくさん作りたいってことが、本当によく伝わってるよ」

 大翔さんはわたしに、「俺は、スイーツ部門を立ち上げて良かったと心底思ってる」と微笑んでいた。

「良かった。 大翔さんの夢にわたしも立ち会えるのは、わたしも本当に嬉しいから」

 大翔さんがいなきゃ、わたしはアップルパイを作ることも出来なかった。 そもそも、お菓子作りに立ち会うことすら出来なかった。
 今までは美味しいスイーツを食べることを生き甲斐にしてきたけど、これからは美味しいスイーツをたくさん作ることを生き甲斐にしていきたいって、心の底から今思ってる。

 わたしも大翔さんと一緒に、スリーデイズの看板スイーツをたくさん作りたい。
 お客様に喜んでもらえるような、そんなスイーツを生み出したい。
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