【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「天野川さん……」

「これは、本当に美味しいアップルパイです。……こんなに美味しいアップルパイ、食べたことないです。このアップルパイは、世界で一番美味しいアップルパイです」

 こんなに美味しいアップルパイをみんなで作れたという事実が、ちゃんとここにある。
 だってスリーデイズが手掛けたアップルパイは、こんなに美味しいんだから。  

「スリーデイズのアップルパイは……世界一です。世界一のアップルパイです」

 材料にも生地にも、リンゴにもハチミツにも、全部のことをたくさんこだわったからこそだ。
 だからこそ、こんなに美味しいアップルパイが出来たんだ。 こんなに美味しいアップルパイが出来たのは、みんなのおかげだ。

「天野川さん……」

「みんなのおかげです。みんなのおかげで、こんなに美味しいアップルパイが出来ました」

 ここまでの期間は本当に長かった。 約六ヶ月かけて、ここまで本気のアップルパイを作ることが出来た。

「わたし、スリーデイズに出会えて本当に良かったです。……こんなに美味しいアップルパイを作れるなんて、わたし幸せです」

 これは片山さんや小野さん、みんながいたから成し遂げられたことだ。

「天野川さんのおかげよ。ありがとう、天野川さん。……いえ、リーダー」

「わたしは確信してます。 このアップルパイは、絶対に売れます」

「ええ、もちろんよ。 だってこれは、わたしたちの努力の結晶だもの」
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