【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
わたしたちが時間と労力をかけて、丁寧に作り上げたアップルパイ。 子供だけじゃなく、大人にも食べてほしいスイーツだ。
わたしのInstagramに、日々のアップルパイの努力をアップしていたのだが、スリーデイズの社員になったところ、フォロワーが急激に増え始めてありがたいことに今や七万人を超えていた。
それもそうだ。大翔さんがわたしのことをテレビで妻だと紹介し、そしてわたしのInstagramのアカウントまでも紹介したのだから。
そのおかげでInstagramのフォロワーは急激に増えていき、ありがたい限りではある。
「皆さん、これをInstagramにアップしてもいいですか? 一週間後に販売すると、ここに告知してもいいですか?」
「ええ、ぜひ告知して。リーダー」
「はい」
こうして母のアイデアから生まれたアップルパイは、副社長である大翔さんからもOKが出て、ついに一週間後の販売が決定した。
そして一週間後の販売には、大翔さんが契約してくれたオガタ・カナデの店頭にスリーデイズのアップルパイが毎日二百個限定で販売されることも決定した。
「片山さん、ついにここまで来ましたね」
「そうね。……長かったわね、ここまで」
「長かったですね……本当に」
でも大翔さんにアドバイスをもらったりして、ようやくここまで辿り着いた。
「ついに……ですか」
「ついに……ね」
なんだか、しみじみしてしまう。