【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜

　
「俺が一億で買ってやるよ、お前を」

「………。え、え？」

　い、今、わたしを一億で買ってやるって言ったよね……？　
　いやいや、聞き間違い……だよね？

「お前が俺の妻になってくれたら、俺は手伝ってくれる報酬として、一億を出すと約束しよう」

「いっ……い、一億っ！？」

　報酬が……い、一億！？　な、なんてことを言い出すの、この人は……！？

「そうだ、一億出す。　だから俺の妻にならないか？」

「……え、え？　え……？」

　そ、そんなことを言われても……！？

「一億で足りなければ、二億でも三億でも好きな額を出そう」

「い、いえ！　一億なんてそんな、とんでもない……！」

　一億で彼の手伝いをすることを決めたら、わたしはお金に目が眩んだがめつい女だと思われてしまう……！！
　そんなのは無理！イヤぁ……！

「お前が俺の妻になってくれたら、俺はお前と夫婦でいながら共同で美味しいスイーツの開発が出来る。　お前は俺の妻として、報酬の一億を手に入れられる。どうだ、いい考えだろ？」

「……いや」　

　そう言われたわたしは、絶句した。そして何も言えなくなった。