【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
そう、実はこのアップルパイは味だけでなく見た目にもとにかくこだわったスイーツにしたくて、普通のアップルパイにはないハート型にしたのだ。
もちろん、自分へのご褒美や誕生日、結婚記念日などのイベントごとにもピッタリなものにしたくてたくさん試行錯誤を重ねた結果、ハート型のアップルパイが出来上がった。
「このハート型のアイデアも、由紀乃のアイデアなんだよ」
「へえ、そうか。 さすが大翔の奥さんだな」
「そうだろ? 自慢の妻だ」
大翔さんから【自慢の妻】だと自慢され、ちょっぴり恥ずかしい気持ちになる。
「いいな、お前は幸せそうで」
「ああ、もちろん幸せだ」
もう、大翔さんってば……。恥ずかしいからやめて……!
「このハート型はどうやって?」
「ハートの型をオーダーメイドで発注したんだ。生地をその型に流し込んで焼くことで、ハート型になるようにオーダーして作った特注品だ」
大翔さんがそう説明すると、オガタ・カナデさんは「へえ、特注品で作ったのか。さすがスリーデイズの副社長。太っ腹だな」と関心していた。
「こんなのは太っ腹でも何でもない。スリーデイズのためなら、俺は予算なんて問わない。やりたいことなら全て後悔のないようにやってもらうだけだ。それでいいスイーツが出来るなら、俺は妥協はしない主義なんだ」
「カッコイイねえ、大翔は。副社長の鏡だな」
「大袈裟ですよ、尾形先輩」