【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
本当に二人は仲がいいんだな。まるで共存しあってるみたいで、二人を見ていてなんだか微笑ましいし、まるで兄弟のようだ。
「由紀乃さん、うちはこれからスリーデイズのスイーツをたくさん販売する契約をしてるから、これからもたくさん美味しいスイーツを販売するよ」
「ありがとうございます。……とても心強いです」
あのオガタ・カナデとコラボレーションするという広告を出したところ、SNSではあっという間に情報が拡散され、まだ開店前だというのにすでに五十人ほどのお客様がお店の前に行列を作っていた。
「……すごい」
もうこんなにたくさんの人が並んでる……。それほどまでに、オガタ・カナデは有名なんだ。
そしてスリーデイズのスイーツがついに販売される日が来て、わたし自身もすごく嬉しい。
「いよいよだな、由紀乃」
「……うん」
半年の歳月をかけて完成させたこの渾身のアップルパイは、きっとたくさんのお客様に喜んでもらえること間違いなしだ。
それほどまでに、わたしたちはハート型のアップルパイに自信がある。 だってわたしたちは、売れるスイーツしか作っていないから。
「さ、後十分で開店します。 ただ、二百個限定なので今からこちらの整理券を配布しての販売とします。整理券をお持ちの人から順番に購入となり、限定個数のため、お一人様二個までの販売とします」
「はい」
「いよいよか。……緊張するな」
「う、うん」