【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「みんなハート型がかわいいって言ってくれてる」
とてもありがたい限りだ。 ここまで一生懸命頑張ってきた成果が、報われそうだ。
「由紀乃のアイデアがたくさん詰まったアップルパイだもんな。 その成果が報われたと思っていいと思うけどな」
「本当に……?」
「当たり前だ。由紀乃が諦めずに挫けることなく頑張ってきたおかげで、今日があるんだろ?」
わたしは大翔さんの言葉に「うん、そうだよね。諦めずにやって来た成果だよね、これは」と答えた。
「そうだ。 やっぱり由紀乃をスリーデイズのリーダーにして良かった。どうやら、俺の見立ては間違ってなかったようだな」
「大翔さん……」
大翔さんはわたしの頬に手を伸ばし、「由紀乃は俺の自慢の妻だ。これからもずっと、由紀乃は俺の妻だからな」と微笑んでくれる。
「ありがとう……。わたしにとって大翔さんは、神様だよ」
「神様?」
「だってわたし、元は単なるスイーツ好きの一般人なんだよ? そんな一般人が、まさかあのスリーデイズでスイーツを作ることになるなんて普通は誰も思わないでしょ? そんなわたしにこんなチャンスと奇跡を与えてくれたのは、大翔さんだもん。わたし、本当に大翔さんには感謝しかないよ」
この出会いは本当に奇跡だし、なんなら運命と言ってもいい。 この出会いはまさしく運命だよ。
じゃなきゃ、わたしの人生はきっとつまらないままだった。