【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「みんなハート型がかわいいって言ってくれてる」

 とてもありがたい限りだ。 ここまで一生懸命頑張ってきた成果が、報われそうだ。

「由紀乃のアイデアがたくさん詰まったアップルパイだもんな。 その成果が報われたと思っていいと思うけどな」

「本当に……?」
 
「当たり前だ。由紀乃が諦めずに挫けることなく頑張ってきたおかげで、今日があるんだろ?」

 わたしは大翔さんの言葉に「うん、そうだよね。諦めずにやって来た成果だよね、これは」と答えた。

「そうだ。 やっぱり由紀乃をスリーデイズのリーダーにして良かった。どうやら、俺の見立ては間違ってなかったようだな」

「大翔さん……」

 大翔さんはわたしの頬に手を伸ばし、「由紀乃は俺の自慢の妻だ。これからもずっと、由紀乃は俺の妻だからな」と微笑んでくれる。  

「ありがとう……。わたしにとって大翔さんは、神様だよ」

「神様?」

「だってわたし、元は単なるスイーツ好きの一般人なんだよ? そんな一般人が、まさかあのスリーデイズでスイーツを作ることになるなんて普通は誰も思わないでしょ? そんなわたしにこんなチャンスと奇跡を与えてくれたのは、大翔さんだもん。わたし、本当に大翔さんには感謝しかないよ」

 この出会いは本当に奇跡だし、なんなら運命と言ってもいい。 この出会いはまさしく運命だよ。
 じゃなきゃ、わたしの人生はきっとつまらないままだった。
< 137 / 198 >

この作品をシェア

pagetop