【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「由紀乃がやりたいと思うことは、挑戦してみたらいいさ。 やらずに後悔するより、やってみて後悔する方が、よっぽどいいだろ?」
「……うん、ありがとう大翔さん」
大翔さんは「さ、由紀乃も早く風呂に入ってこい。……ベッドで待ってるから」と耳打ちしてくる。
「……っ! う、うん」
は、恥ずかしいけど……なんか嬉しい。
「じゃあ、お風呂入ってくるね」
「ああ」
その日の夜は、大翔さんに甘くたっぷりと愛されて幸せな気持ちのまま眠りに付けた。
* * *
「おはようございます」
「おはようございます」
それから一週間後、スリーデイズに出社すると片山さんから「天野川リーダー、ちょっといい?」と声をかけられた。
「はい。どうされました?」
「リーダーに一つ、相談があるの」
わたしは「相談ですか?」と片山さんが持っている資料に視線を落とす。
「実はね、スリーデイズにイベントへの出店の話が来てるのよ」
「イベント? なんのですか?」
片山さんは「これよ」と持っている資料をテーブルに置く。 わたしはその資料に目を通す。
「これはなんのイベントですか?」
「聞いて驚かないでね。あのオガタ・カナデが何人かの出店者を集めて、イベントでスイーツのキッチンカーをやるそうなの」
「キッチンカー?」
「そう。そこのキッチンカーに、スリーデイズも出店しないかって話が来たのよ」