【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「……スイーツで片手で食べられるようなものって、なんでしょうかね」
「え?」
わたしがそう口にすると、片山さんはわたしを見る。
「いえ、キッチンカーでスイーツを食べるとなると、見た目ももちろん大事だと思うんですけどね。やっぱり一番大事にしないといけないのって、食べやすさなのかなって思って」
「なるほど。……食べやすさか」
「はい。見た目にももちろんこだわって、そして食べやすいスイーツを作るのはどうですかね?」
みんなも目の前に書かれたホワイトボードを眺めながら「食べやすいスイーツ……か」と首を傾げる。
「スイーツのキッチンカーといえば、やっぱり代表的なのはクレープだと思うんですけどね。普通のスイーツをやっても、なんか面白みがないような気がして……」
単純にわたしの考え過ぎなだけなのかな……?
「クレープ……確かに。クレープが代表的よね」
「クレープに変わる何かを作れればいいんですけど……なにがいいんでしょうね」
わたしたちはイベントに出店するためのスイーツをもう一度考え直すことにした。
「スリーデイズだからこそ出来る、最高のスイーツを作りたいんですよね。 他にはないスリーデイズでしか食べられない、美味しいスイーツを作りたいんですよね」
「スリーデイズならではのスイーツか……」
スリーデイズならではの……スイーツ。
「……あっ」
そうだ。あれなら、スリーデイズっぽいかも。