【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「リーダー? 何かいい案思いついたの?」

 そんなわたしの顔を見て、片山さんが問いかけてくる。

「あの、これなんてどうでしょう」

「ん?」

 わたしは今回のスイーツの案をみんなに伝えた。

「なるほど……! これは面白いかも」

「ですよね? なんか、スリーデイズらしいスイーツになると思いませんか?」

「絶対になるわ。 うちのリーダーが言うんだから、間違いないわ」

 わたしが出したスイーツの案に、みんな賛成してくれた。
 早速わたしたちは、キッチンカーイベントのためのスイーツ開発に取り掛かった。

「まずはイメージを固めるためにデザインから入ってみますか」

「とりあえずってところだものね」

 二ヶ月後の出店に向けて、わたしたちはスイーツ開発のための計画を立て始めたーーー。


* * *


「ただいま」

「おかえりなさい、大翔さん。お仕事、お疲れ様でした」

 その日の夜、帰宅した大翔さんを玄関で出迎えた。

「ただいま。ありがとう、由紀乃」

 ジャケットを脱ぎネクタイを緩めた大翔さんは、わたしに「アップルパイ、今日も見事に完売だそうだ。良かったな」と言ってくれた。

「うん、良かった」

 アップルパイは売れ行きが順調で、発売から一週間で千個以上売れている。本当にありがたい限りだ。

「Instagramにもね、スリーデイズのアップルパイがたくさん上がってるんだよ」
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