【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「尾形さん、お疲れ様です」
「由紀乃さん、こんにちは。わざわざ来てもらってごめんね」
オガタ・カナデさんはわたしをお店に呼び出してしまったことを申し訳ないと思っているようだった。
「いえ、こちらこそお時間作ってくださってありがとうございます」
「さ、どうぞ座って」
「ありがとうございます」
オガタ・カナデさんの目に前に座ったわたしは、打ち合わせのための資料をファイルから取り出しそれを開く。
「由紀乃さん、スイーツ完成したんだよね?」
「はい。 今日は尾形さんにも試食をお願いしたくて、完成品を持ってきたんです。 良かったら試食して感想をお願い出来ますか?」
わたしは持ってきたクーラーボックスからパフェとソースを取り出し、オガタ・カナデさんの目の前に置く。
「え? いいのかい?」
「もちろんです。良ければこのソースの感想も、一緒にお願いします」
オガタ・カナデさんはまず完成したパフェを見つめて「見た目がいいね。フルーツもたくさん乗ってるし、プリンがまるまる一個乗ってるんだね」と感想をくれた。
「はい。プリンはもちろんスリーデイズのものを使っていて、フルーツも産地にこだわったものを使用しています」
「そっか、フルーツも産地にこだわってるんだね。やっぱりスリーデイズはすごいね」
「イベント用のものですけどね」
オガタ・カナデさんに褒められると、なんだか緊張してしまう気がする。