【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


 オガタ・カナデさんにそう言われたわたしは、つい「すごいです!わたしたち、本当にそれを目指したんです。 パフェを食べているのに、まるで食べた時に違う何かに変化するような、驚きを感じてもらえるスイーツを作りたかったんです」と尾形さんに伝えた。

「その黒ごまソースもそうなんです。パフェは和よりも洋のイメージが強いので、いつも食べているようなパフェにするのは、なんか面白みがないなと思ったんです。 だから作るなら、二度楽しめる面白いパフェにしようって、みんなと話し合ったんです」

 わたしがそう言った時、尾形さんは「由紀乃さんは、本当にすごいな」と感心してくれた。

「……え?」

「由紀乃さんはスイーツ作りを誰よりも楽しんでるように見えるよ。 スイーツ作りに対する情熱がとても強くて、本当に驚きのある美味しいスイーツを作ろうとしているその姿勢が、僕は本当に素晴らしいと感じるよ。さすが、大翔の奥さんだね」

 まさかそんな嬉しい言葉をもらえるなんて思ってなかったわたしは、嬉しさで涙が滲む。

「君のアイデアは本当に素晴らしいと思う。誰よりもスイーツを愛して、スイーツに愛された人だと僕は思うよ。……僕もスイーツ作りに情熱を捧げてきた身だから、よくわかる。スイーツ界には、由紀乃さんみたいなスイーツを本気で愛する人が必要なんだと、僕は改めて感じさせられた気がするよ」

「尾形さん……ありがとうございます」

 こんなに嬉しい言葉、ない。
< 156 / 198 >

この作品をシェア

pagetop