【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「由紀乃さん、このスイーツはとても美味しいスイーツだった。……ありがとう、こんなに美味しいものを作ってくれて。このイベントは、もう成功しか感じないくらい美味しいスイーツだったよ」

「本当に恐縮です。ありがとうございます」

 本当にここまで頑張って良かった。努力はやっぱり報われるのだろうと、感じた。

「黒ごまソースは甘いものが苦手な人にもいいし、最初はこのままで食べて、味変でこのソースをかけて食べるとまた違うスイーツに変化する。この見た目からは想像出来ないくらい、全く違うものになっていた。……由紀乃さん、これはお客さんみんな驚くと思うし、きっと美味しいって言ってくれるよ」

「本当ですか? 良かった」

 ホッとしていると、尾形さんは「大翔が由紀乃さんを奥さんにしたいと思った理由が、なんかわかる気がする」と言ってくれた。

「……えっ?」

「実は大翔からスリーデイズでスイーツ部門を立ち上げるって聞いた時、僕ちょっと大丈夫かなって不安だったんだよ。 ほら、スリーデイズって元は冷凍食品を扱ってる会社だろ?冷凍食品の会社がスイーツって、大翔は一体何を言ってるのかって……正直に言うと思ったんだけどさ」

 確かに、元は冷凍食品を製造して販売する会社だ。それがまさかスイーツとは、きっと誰も思わなかっただろうし。
 冷凍食品の市場シェアNo.1のスリーデイズが、スイーツ?……確かに、何を言ってるのかって思うよね。
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