【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「お待たせしました!ベリーソースのお客様です!」
「はい。ありがとうございます」
「ありがとうございましたー!」
他にもたくさんのスイーツ店が名を連ねる中、スリーデイズのキッチンカーにはお客様がひっきりなしやってきてしまう。
なんやかんやと忙しくなり、販売するペースが上がっていく。
「片山さん、プリン補充しますね」
「お願いしますー!」
そんな中、大翔さんの呼び込みも効果があるのか、大翔さんの周りにもお客様が寄ってきている。
「あの、スリーデイズの副社長ですか!?」
「はい、そうです」
大翔さんがにこやかな笑顔を向けると、お客様は「やだー!本物だよー!?」とか「カッコよくない!? モデルみたい!」などとテンションが上がっている。
「どっちかというと……パフェではなく、大翔さん狙いのような……?」
「副社長、相変わらずモテモテねえ」
そんな大翔さんの様子を見て、片山さんがわたしの方を見る。
「な、なんですか?」
そんなわたしに、片山さんが「由紀乃さん、もしかして嫉妬してる?」と聞いてくるから、わたしは「べ、別に嫉妬なんてしてませんっ」と答えた。
「素直じゃないなあ、由紀乃さんは。顔に嫉妬してるって書いてあるわよ?」
「えっ!本当ですか……!?」
わたし、嫉妬してるの……!?
「大丈夫よ。由紀乃さんは奥さんなんだから、副社長の隣にいる時は堂々としてればいいのよ」
「堂々と……?」