【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
* * *



「ちょっと、由紀乃さん!あれ見て!」

「はい?」

 後一時間でイベントが終わる頃、イベント会場に一際目立つ存在の人が歩いていた。

「あれって……長良川蜜実じゃないですか?」

「やっぱりそうだよね!?」

 イベント会場を派手な衣装で歩く長良川蜜実は、一際目立っておりものすごいオーラを放っていた。

「あの人が……長良川蜜実」
 
「すごいオーラね。……さすが世界的デザイナーね。オーラが溢れまくってるわね」 

 確かに、さすがのオーラだ。遠くからでもわかる、そのクールで鮮明なオーラに、歩くお客さんもみんな釘付けになっている。
 それだけじゃない。長良川蜜実の隣を歩くのは、あの世界的ピアニストの南條ゆずだ。
 南條ゆずも派手めなピンクのワンピースを着ているからか、二人が一緒に歩いているとそのオーラが二倍になりオーラを解き放ちまくっている。

「しかも隣には、南條ゆずもいますしね」

「二人が揃ったら、まるでオーケストラね」

「ですね」 
 
 会場のお客さんはみんな二人のオーラから目が離せなくなっていて、会場内がざわつき始めている。

「えっ!? ちょ、ちょ、ちょっと!こっちに来るよ!?」

 世界的ピアニストと世界的デザイナーの二人が並んで歩けば、そこはもうまるでオーケストラだ。
 今にも音楽が聞こえてきそうなくらいだ。

「ひーろとっ!」

「……ゆず?」

 大翔さんはゆずさんの姿にビックリしている。
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