【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「あら、顔が真っ赤だわ」

 ひぇえええ……。もう帰りたいっ……!

「大翔ってば、こんな大勢の前で愛の告白もいいけど、二人きりの時に愛を囁いてあげたほうがいいんじゃない?」

「もちろん、二人きりの時でも愛は囁いている」

 ひ、大翔さん、もうやめてー!
 恥ずかしいから、お願い!もうやめてっ!

「あら、由紀乃さん大丈夫?」

「もう……帰りたいです」

「大翔ってば、こんなに恥ずかしがらせてどうするのよ? 由紀乃さん、顔が真っ赤よ」

 愛をストレートに伝えてくれるのは嬉しいけど、場所を考えてほしい。 こんなにストレートに愛情表現してくれることは、本当に嬉しいのだけど。
 今じゃないんだよ、今じゃ……。

「まあでも、大翔も元気そうで良かった」

「俺は元気だ。 ゆずも相変わらずの減らず口は治ってないみたいだな」

「はあ? 誰が減らず口ですって?」

 大翔さんの言葉が気に障ったようで、ゆずさんは大翔さんに「わたしのどこが減らず口な訳?」と問いかけている。

「そういうところだ。ちょっとは減らず口治ったと思ったんだが、治ってないみたいだな」

「はあ? アンタこそ、そういうクールぶってるとこは相変わらずなのね。カッコつけちゃって」

「カッコつけ? そんなことしていない」

 な、なんだか二人のやりとりがエスカレートしているような気が……。

「してるわよ。テレビの中のアンタは特にね!」

「相変わらずうるさいな」
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