【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
でもこういうやりとりを見ていると、やっぱり二人は幼なじみなんだと感じる。
幼なじみ特有のオーラみたいなのを感じる。
「やっぱりわたし、アンタと結婚しなくて良かったわ」
「それはこちらのセリフだ」
いつもこんな感じ……なのかな?この二人。
「アンタみたいな男をもらってくれる奥さまがいて、本当に良かったわね」
「ああ。俺はとにかく幸せだ」
「アンタの口から幸せ?……いや、吐き気がする」
「おい、失礼だな」
やっぱりこの二人、幼なじみなんだな。ケンカ越しになるけど、なんだかんだこのやりとりを見ていると面白いと感じる。
「お二人って、仲がいいんですね」
わたしがそう言ったら、二人は「仲良くなんてない」や「コイツと仲良し? いやいや、ありえない。相性どう考えても最悪でしょ」と口にした。
「その言葉、そっくりそのまま返してやる」
「はあ? ムカつくんだけど」
テレビで見ているナチュラルな南條ゆずよりも、こっちの方が南條ゆずの本当の姿なのかも。
テレビで見ている南條ゆずは、きっと自然体でキレイな南條ゆずなんだろうな。
だけど今ここにいる南條ゆずは、ピアニストの南條ゆずではなく、大翔さんの幼なじみの南條ゆずであるように見える。
「由紀乃さん、大翔はこんなんだけど本当はイイヤツなの。だからよろしくね」
は、はい……?
「おい、由紀乃を困らせるな」
「何よ。よろしくってお願いしてるだけよ」