【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
スイーツの可能性
そしてスイーツイベントの二日目も無事に何事もなく終わり、イベントは大成功を収めた。
「皆さん、二日間お疲れ様でした」
「お疲れ様でした!」
「皆さんのおかげで、イベントが大成功です! わたしたちのパフェ、おかげさまで二日間とも完売しましたっ!」
わたしたちのパフェを食べてくれた女の子たちが、SNSにアップしてくれたおかげで、スリーデイズの名前はより広がった気がした。
何より、副社長である大翔さんが先頭に立ってくれたことが一番名前を広められる気がしている。
「やったわね、リーダー」
「はい。無事に終わって、ホッとしています」
このイベントが無事に終わったことで、わたしの中では安心感が付く気がした。
「由紀乃、お疲れ様」
大翔さんがわたしの肩をそっと叩いてくれる。
「大翔さん、ありがとう。大翔さんのおかげだよ」
「それは由紀乃が頑張ったからだろ?」
「……わたし、なんか泣きそう」
大翔さんはわたしの頭をそっと撫でてくれる。
「泣いてもいいぞ」
「……でも、ここでは泣かない」
家に帰ってから思う存分泣くことにする。
「家で思いきり泣くことにするね」
「そうか。じゃあその時は俺の胸を貸してやるよ」
「ありがとう」
こういう時に助けてくれるのが大翔さんだから、いいんだよね。
「パフェが全部完売なんて、実はちょっとビックリしてるんだ」
「そうなのか?」
わたしは「うん」と頷いた。