【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「正直、完売は無理かなって思ってたし」

「でも完売したな」  

「うん。……良かった」

 イベントの片付けをしていると、オガタ・カナデさんが「大翔、由紀乃さん、お疲れ様!」と駆け寄ってきてくれた。

「オガタさん、お疲れ様でした! とても楽しいイベントでした」

「本当に? そう言ってもらえて嬉しいよ」

 オガタ・カナデさんが誘ってくれなかったら、きっとこんなに楽しいイベントだってことを知らなかった。
 スイーツをたくさんの人に食べてもらうって本当に難しいし、本当に大変だってこともわかったし。 今回はとても勉強になった。

「今回は本当に色々と勉強させてもらいました。
ありがとうございました」

 オガタ・カナデさんに軽く頭を下げると、オガタ・カナデさんは「由紀乃さんが本当に楽しそうに働いてくれてたの見て、出店してもらって良かったなって思ったよ」と言ってくれた。

「本当ですか? 良かったです」

「スリーデイズの人気がすごくて、ビックリしたよ。 大翔の宣伝のおかげでもあるかな」

 オガタ・カナデさんが大翔さんに視線を向けると、大翔さんは「まあ、やっぱりスリーデイズのスイーツをもっと有名にしたいんでね」と微笑む。

「さすが副社長だな」

「俺がどうしても立ち上げたかったスイーツ部門なんで、出来ることは何でもやっていきますよ、俺は」

 大翔さんの覚悟が本当に素晴らしいと感じた。スリーデイズをもっと有名にしたいという気持ちがより伝わってくる。
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