【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


 わたしがそう話したら、大翔さんは「冷凍スイーツか。それはいいアイデアだな」と言ってくれた。

「今冷凍スイーツが結構流行ってるじゃない? 今結構多いのが、無人販売スイーツみたいなのなんだけど、冷凍スイーツにして販売したら、いいかなって思って」

「それがスリーデイズの第二のスタート、って所かもな」

「第二の、スタート……」

 確かにアップルパイが大成功したし、そしてイベントも大成功した。
 次のステップは、冷凍スイーツにシフトしていったほうがいいのかもしれない。 
 冷凍スイーツなら、並ばなくても気軽にネットなどでも買えるようになるし、遠方で来られない方でも買えるとなると、さらに需要は高まりまそうだ。

「アップルパイも、冷凍販売出来たらいいのにね」

 わたしがそう呟いたら、大翔さんは「由紀乃、今なんて言った?」と聞き返してくる。

「……え?」

「今、なんて言った?」

「えっと……アップルパイも、冷凍販売出来たらいいのにねって言ったけど……?」

 それがどうかしたのかな……?と思っていると、大翔さんは「冷凍販売用のアップルパイ、作ったらいいんじゃないか?」とわたしに言ったのだった。

「ん……? 冷凍販売用のアップルパイ?」

 どういうこと? 今のアップルパイとは別にってこと……かな?

「今は店舗限定の販売にしてるけど、冷凍販売用のアップルパイを作ったら、もっと看板スイーツになるかもな」

「それ、いいアイデアだね!」
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