【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「由紀乃、俺と結婚したこと、絶対に後悔させないと約束する。君を必ず幸せにする。……そしていつか、君の心も身体も全て奪ってみせるよ」
「あ、天野川……さん?」
「俺と結婚しよう、由紀乃」
こんな顔の整ったイケメンに真剣な眼差しで愛の言葉を囁かれたら、世の中の女子はコロっと落ちてしまうに違いない。
わたしだってその一人なのだーーー。
「……はい。 こんなわたしですけど……どうぞよろしくお願い、します」
「幸せにするよ、由紀乃」
そしてわたしは、天野川さんのスイーツ開発に協力するという形で、天野川さんと結婚することを決めた。 そして協力してくれる報酬として、天野川さんはわたしに一億円を支払うと約束した。
天野川さんの言う通り、わたしたちはお互いの利害が一致したのだ。
わたしは天野川さんに一億はいらないと断ったのだが、約束だからと押し切られてしまった。
スイーツの開発にはわたしの力が必要だと言われたら、断ることも出来ず……。
タダで美味しいスイーツを食べさせてくれると言ってくれた天野川さんの言葉に、わたしはちゃっかりと騙されてしまった。