【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに幸せと愛を乗せて〜

 
 でも確実にスリーデイズが進化していることは、間違いない。
 スイーツという新たな部門を立ち上げた大翔さんが、一生懸命試行錯誤しながらここまで歩んできた道のりは、とにかく長かった。 アップルパイの完成までに半年くらいかかったし。
 
 そして今後は冷凍お取り寄せスイーツにも力を入れていくことになりそうだから、やることが増えてくるだろうし。
 スイーツ開発に力を入れていくわたしたちは、きっとこれからも期待を背負っていくことになるだろう。
 そんなプレッシャーと闘いながら日々過ごしていくことは、きっと困難なこともあるだろうけど、わたしたちなりに進める所までやっていくつもりだ。

「片山さん、ちょっといいですか?」

「リーダー? どうしたの?」

 わたしはまず片山さんに先程の話をした。

「冷凍スイーツのお取り寄せ?」

「はい。アップルパイを食べたくてもなかなか事情があって買いに来れない方もいると思うんです。 そんな人のために、お取り寄せという形でネットでの販売が出来ないかって話が副社長から出ていて」

「冷凍スイーツ……。お取り寄せ……」

 考え込むような表情を見せる片山さんに、わたしは「一応、ハーフカットとワンホールで販売したいということみたいですけど」と伝える。

「それはすごくいいアイデアだと思う。わたしもそれには賛成。……でもねえ」

 片山さんの表情が気になり、わたしはつい「……何か、他に気になることでも?」と問いかける。
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