【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「冷凍スイーツに手を付けるとなると……今の人数体制じゃ、ちょっと厳しいわよね……」

 片山さんが周りを見渡すように見ている。

「……そこなんですよね」

 事業を拡大するにしろ、人手が足りたいと進めることは出来ない。
 他のスイーツの開発に携わっている社員も何人かいるため、兼任というのは無理をさせてしまう危険性があるし、体調を崩してしまう可能性がある。
 無理だけは絶対にさせられない。

「なんとか人手を増やせない、ですかね」

「人手が増やせれば、なんとか回せるんだけどね……」

 今の人数でやれることがギリギリになり、仕事を増やしてしまうと負担を掛けてしまう。
 そうなると、なかなかお取り寄せにまでは辿り着くのは難しいかもしれない。

「片山さん。副社長に、求人募集の依頼をかけてもらいませんか?」

「求人募集?」

「はい。社員でなくても、例えば短時間でも働けるスタッフとか、土日だけ働きたいみたいな人たちを募集してみませんか?」

 派遣みたいなスタイルにしてもいいし、その人が働きやすい環境で働いてもらえるように、募集をかけていくしかもうない。

「パートってこと?」

「もちろん、自分が働きやすいスタイルで働いてもらうことが一番だと思うので、短時間だけならって人もいると思うんですけど。そういう方も採用していった方が、いいかなって」

「……由紀乃さん、それ副社長に頼んでみてもらえないかな?」

「もちろんです。帰ったら話をしてしますね」
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