【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


 その日の夜、わたしは夕飯の鶏そぼろ丼を食べながら大翔さんに話を切り出した。

「大翔さん、ちょっと話があるんだけど……いいかな?」

「ん? どうした、改まって」

 大翔さんは丼をテーブルに置くと、わたしを見る。

「あのね、うち今人手が足りなくてね……新しいスイーツを開発するにしても、他のスイーツの開発と兼任してるスタッフもいるの。その人たちに負担をあまり掛けたくなくてさ……」

「うん」

 大翔さんは真剣にわたしの話を聞いてくれる。

「そこでね……人手不足を解消するために、求人募集みたいなの、かけられないかなって、思ってるんだけど……」

「求人募集?」
 
「今の現状だと、みんな手一杯でなかなかお取り寄せスイーツにまで手が回らないの。 だから、うちで働いてもらう人を、もう少し増やせないかなって思って……」

 わたしがそう話すと、大翔さんは「そうだよな。今の人数じゃ、確かに手が回らなく所は出てくるよな」と言ってくれる。 

「わかった。求人募集をかけよう」
 
「え、本当に……?」

「ああ。スイーツ部門も軌道に乗り始めるし、人はいたに越したことはないしな。 人手を増やさないと、スイーツの開発も進まないもんな」

 大翔さんは「明日早速、求人募集をかけれるか相談してみるよ」と言ってくれた。

「ありがとう、大翔さん。話を聞いてくれて」

「俺の方こそ、気付かず申し訳なかった」

「ううん。人が増えれば、ますますスリーデイズは飛躍するね」

「そうだといいな」
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