【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


 大翔さんは片山さんに「片山は俺がスイーツ部門を立ち上げた時からの初期メンバーだからな。片山が一番適任だと俺は思ってるんだが……どうだ?」と聞いている。

「わたしも、片山さんが適任だと思います」

 わたしがそう伝えると、片山さんは「そこまで言われたら、断れないじゃないですか」と言っているものの、「わかりました。面接担当、引き受けます」と受けてくれた。

「ありがとう。助かるよ、片山」

「副社長に言われちゃいましたので、頑張ります」

「さすが片山さんです」

 新しいスリーデイズを目指していくために、わたしたちは一歩ずつ確実に前に進んでいる。
 これからどんな未来が待っているのかは、わからないけれど、とても楽しみだ。

 
* * *

 
「片山さん、また求人募集来ましたよ!」

「えっ!本当に?」

「はい。二十二歳の大学院生です」
 
 求人募集をかけ始めてから数日。求人募集の欄には問い合わせが来ていた。
 主婦の方や大学院生など、幅広い方が応募してくれていた。

「早速面接の予定を組んでいきましょう」

「わかりました。返信しますね」

「お願い」

 人数がいるに越したことはないが、面接をしてみて人柄が見えてくるとのことで、片山さんと大翔さんは慎重に人員を選択している。

「片山さん、明後日って面接行けますか?」

「明後日? ちょっと待ってね」

 片山さんが面接予定を確認していく。  

「明後日は十三時からなら空いてるわ」  

「了解です」
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