【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
* * *



「皆さん、紹介しますね。 今日からスイーツ部で一緒に働いてくれる新しいメンバーたちです!」

 数週間後、面接を経て新しいメンバーの採用が本格的に決まった。

「天野川由紀乃です。 一応、スイーツ開発部のリーダーを務めてさせて頂いてます。よろしくお願いします」

 今回入ってくれたメンバーは六人で、冷凍スイーツの担当、チルドスイーツの担当など担当を振り分けて採用することになった。
 十代のアルバイトの子から主婦の方、フルタイム希望の方まで幅広く入ってきてくれたおかげで、人数が潤った。

「えっ?天野川……って?」

「あれ、言ってなかったっけ? リーダーは天野川副社長の奥様よ」

 片山さんがそう伝えると、新メンバーの人たちは驚いているようで、「えっ! あ、天野川副社長の奥様……ですか!?」とわたしを見ている。

「はい。わたしは副社長の妻です。……片山さん、伝えてなかったんですか?」

「言ってたつもりだったんだけどね」

「すみません。聞いてなかったのでビックリしました」

 そう言われたけど、「わたしのことは普通にリーダーでいいですよ。 副社長の奥様だとか、気を張ることないですからね」と念の為伝えておいた。

「お、恐れ多いです……」

 と言われたけど、「わたしだって普通の一般人ですよ?元はスイーツ大好きな一般人です。 なので、気負わず話しかけてくれたら嬉しいです」と笑顔を見せる。

「みんな、新しいメンバーには、優しく色々と教えてあげてね」
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