【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
 

「ふふふ。良かった」

 大翔さんがこうやっていつも美味しそうにご飯を食べてくれるから、わたしも作って良かったと思える。
 一人で食べるより、やっぱり二人で食べる方が何倍もご飯は美味しい。

「豚汁も最高に美味い」

「良かった」

 わたしが作る豚汁は出汁に特にこだわっている豚汁で、味噌は白味噌を使っているのだけど、出汁が美味しいから豚汁がもっと美味しくなっている。

「いつも美味しく食べてくれるから、わたしも嬉しいよ」

「本当に由紀乃の料理は美味い。疲れた身体を染み渡る」

「良かった」

 大翔さんと色々と切磋琢磨しながらこうして美味しいスイーツ作りをしてきたけど、美味しいスイーツでみんなが喜んでくれるのはやっぱり嬉しいし、作ってて良かったと実感する。

「そうそう。ネットでのアップルパイの注文が今追いつかなくなってきててね、今発送まで二ヶ月待ちになってる」

「そうらしいな。大反響だな」

「うん。もしかしたら、このままいくと三ヶ月くらいの待ちになっちゃうかもしれない」

「そうか……。三ヶ月待ちか」 

 アップルパイがメディアで取り上げられてからの人気は衰えず、ネットで販売することを告知してからはSNSでリポストされ、インスタグラムでも話題になっていた。
 オガタ・カナデのお店でしか買えなかったアップルパイが、ネットで買えるということはものすごく素晴らしいことなのだと、改めて思い知らされた。
 やっぱり、スリーデイズはすごい会社だ。
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