【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「なんだ。見られてたのか」
大翔さんは見られていたことに、気付いていなかったようだ。
「たまたまね、見ちゃってさ。……でも大翔さんの真剣な表情を見て、わたしは大翔さんがこんなにも真剣にスイーツに向き合っている姿が、みんなの見本になっていると思ってる。 大翔さんがスイーツに人生を捧げているように、わたしもスイーツに人生の全てを捧げているから」
大翔さんがいなきゃ、わたしはスイーツを作ろうと思えなかったかもしれない。 単純にスイーツを食べることが大好きってだけで、ここまで来ることは思ってなかった。
「わたしは、スイーツが大好きだよ。食べることも、作ることも大好き。……だけど、わたしは大翔さんと一緒にいる時間が、一番大好きなんだよ。大翔さんがいないと、わたしは生きていけないもん」
「由紀乃……」
だってわたしは、天野川由紀乃。スリーデイズの副社長である天野川大翔の妻だ。
大翔さんのことを誰よりも尊敬しているし、誰よりも愛おしいと思ってる。 大翔さんは誰よりも頼れる存在で、わたしにはもう大翔さんと過ごすこの時間がかけがえのない大切な宝物だ。
「大翔さん、これからもずっと一緒にいようね。これからも楽しく、みんなで美味しいスイーツ作っていこうね」
「ああ、そうだな。美味しいスイーツ食べて、楽しく過ごそう」
「うん」
スイーツを通してわたしたちは、より絆が深くなったと思う。 わたしたち夫婦は、スイーツと一緒に成長していることは間違いない。