【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
天野川大翔……すごい笑顔。キラキラとしている。
「まさか天野川さんが、由紀乃の結婚相手だなんて、驚いたわよ。 あなた、結婚したい人がいる、としか言わなかったから……」
お茶を淹れながら、お母さんはそう言ってきた。
「ごめんね、お母さん」
お母さんはさぞかし驚くに決まっているだろうとは思っていたが、まさかそこまでとは思ってなかった。
「しかし、イケメンねぇ?天野川さん。男性なのに美形よね」
「……だよね」
イケメンだというとは、わたしも認める。思わず見惚れてしまいそうになる時があるから。
「お待たせしました。大したものではないですが、どうぞ」
お母さんは天野川さんにいつもよりも丁寧な対応と言葉遣いをしていた。
「ありがとうございます。お気遣いなく」
お母さん、めちゃくちゃ緊張してるな……。
「あ、そうだ。僕からもお土産があるんです」
「え? あ、わたしにも?」
お母さんは驚いたような表情をしていた。
「はい、これは父親からなんですが……。よろしかったらどうぞ」
「あら、すみません……。ありがとうございます」