【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜

 
 その言葉を告げられたわたしは、思わず見つめられて目をそらせなくなっていた。

「……由紀乃」

「は、はい」
 
 なぜかやたら、鼓動が早くなってうるさくなる。ドキドキして、顔が赤くなりそうだった。

「え……天野川、さん……?」

 突然天野川さんから頬を撫でられ、更にドキドキが増していく。

「由紀乃。……キス、してもいいか?」

「……え?」

 き、キス……!? こ、ここで……!?

「5秒数えるから、イヤならイヤと言ってくれて構わない。……もしイヤだと言わないなら、キスする。いいな?」

「え、え……。え?」

 状況がうまく呑めないわたしは、目の前であたふたするしかなかった。

「5……4……」

 だけどその言葉が本気だと分かった途端に、カウントダウンが始まっていて……。

「3……2……」

「え、あ、天野川……さん」
 
ど、どうしよう……。こういう時ってなんて言えばいいの?  
 
「……1」

 そしてカウントダウンは、終わってしまった……。

「ほら、答えなかったからキスするぞ?」

「えっ!? あ、や、えっと……」
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