【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「そうなんです」
お母さんのアップルパイは、いつも中身が少しトロッとしていて、食べた瞬間にとろける感じが好きなんだ。
「みんな、食べてみましょうか」
「はい」
「いただきます」
まずは母のレシピ通りに作ったアップルパイを食べてみることになった。
「天野川さん、まずはあなたが食べてみてくれない?」
「え、わたしですか?」
「ええ。まずは本人から、でしょ?」
そう言われたわたしは、フォークを片手に持ちそのまま出来たてのアップルパイを口にした。
「どう?天野川さん?」
「美味しいです。……母の味に、近いと思います」
「食感とかはどう?」
そう聞かれると、食感とかはあまり変わらない気がする。
「食感はあまり変わらない気がします。サクサクした感じとか、バターの風味とかもあまり変わらない気がしますね」
「そっか。 じゃあわたしたちも、頂いてみましょうか」
「はい」
そして今度は、片山さんたちが出来たてのアップルパイを試食していく。
「ん、美味しいですね」
「美味しいです。サクサクしてて」
「リンゴの酸味もちゃんとありますね」