【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
行きつけのお店
「フッ……」
そんなわたしを見て、大翔さんは笑っていた。
「えっ。な、なんですか?」
「いや、由紀乃が可愛いなって思ってさ」
「か、かわ、可愛いっ……!?」
ここで可愛いと言われると、恥ずかしくて仕方ない。
「由紀乃が俺の妻だということを、みんなに自慢したくなるな。俺の妻はこんなに可愛い人だと、今すぐにでも伝えたいくらいだ」
そんな恥ずかしい言葉を堂々と言える大翔さんに、感心してしまう。 わたしなら、そんなこと恥ずかしくて絶対に言えないもん……。
「由紀乃、今日の夜は一緒に外で食事をしないか?」
「え?」
そんなことを考えていたら、いきなり大翔さんからそんなことを言われた。
「連れていきたい店があるんだ」
連れていきたいお店……?
「由紀乃はもう今日は、終わりだろ?」
「はい」
「俺も今日は定時で終わるんだ。 そうだな、この近くにコパンというカフェがある。良かったらそこで待っててくれないか?」
そう言われたわたしは「分かりました」と返事をした。
「終わったら由紀乃のこと、迎えに行くから」
「わ、分かりました」