【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


 感謝……? ううん、感謝しているのはわたしの方だもん。
 大翔さんにお礼を言わないといけないのは、わたしの方だから。

「何言ってるんですか、大翔さん。感謝しないといけないのは、わたしですよ」

 大翔さんと結婚したから、わたしはスイーツも食べさせてもらっている訳だし。
 毎日刺激をもらっているから、毎日が新鮮な気もする。

「由紀乃」

 大翔さんに名前を呼ばれるだけで、胸が高鳴る。

「は、はい……?」

「由紀乃のこと、幸せにする」

 そんな言葉を告げられた後、大翔さんはわたしのことをそっと優しく抱きしめてきた。
 その瞬間に、さらに鼓動が早くなっていく。ドキドキして、顔が赤くなってしまいそうだった。

「……由紀乃」

 そしてそのまま大翔さんに見つめられると、さらに体温が上昇していくのが分かった。恥ずかしさが込み上げてくる。
 頬を撫でられ、顔を近付けられるだけで、ドキドキが増していく。

「ひろ……とさん?」

 そんなことを考えている間に、大翔さんから優しく唇を重ねられていた。
 その瞬間にわたしは、無意識にその目を閉じていた……。
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