【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
【表れた独占欲】
二人で朝食作り
「おはよう、大翔さん」
「おはよう、由紀乃」
それから一ヶ月が経った。わたしたちの結婚生活が何か変わってるのかというと、特にそうでもないような気がする。
「由紀乃、朝食はパンケーキでいいか?」
「はい……じゃなくて、うん」
敬語で話すなと言われるのだけど、やっぱり敬語の方が落ち着くような気もする。
だけど大翔さんからは、敬語じゃなくていいと言われる。
「今日は俺が作る。由紀乃は座っててくれ」
「え、いいの……?」
「ああ、俺が作るよ」
大翔さんもたまに料理をするみたいで、休みの日はこうして朝食を作ってくれたりする。
「由紀乃、今日はパンケーキに何を乗せる?」
パンケーキの材料をボウルに入れ混ぜながら、そう聞いてくる大翔さん。
「そうですね……。今日はベーコンエッグとか、どうですか?」
「それは賛成だ」
「じゃあわたし、ベーコンエッグ作ろうかな」
わたしも立ち上がってキッチンに行くと、冷蔵庫からベーコンエッグの材料を取り出した。
「由紀乃、俺がやると言ったろ?」
「いいんです。せっかくだから、一緒にやりましょうよ」