【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
思わず見とれてしまった……。だって大翔さん、カッコいいし。
こんな人がわたしの旦那さんだなんて、まだ信じられないくらいだ。
結婚したとはいえ、まだ実は結婚指輪をもらっていないせいか、結婚したという実感が湧かない。
「後十分くらいで到着するぞ」
「分かりました」
一体そこには、どんな景色が待っているのだろうか……。とても楽しみだし、とても気になる。
そして十分ほどして、大翔さんの運転する車はある山の頂上に到着した。
「着いたぞ」
「は、はい」
シートベルトを外して車から降りたわたしたちの前に現れたのは……。
「えっ、すごいっ!」
「ここは俺が借りてる別荘なんだ」
「えっ!? 別荘……!?」
山の頂上からはキレイな富士山が見えていた。そしてその近くにはコテージがあり、そのコテージは大翔さんが別荘として借りているものだと言う。
「ああ、由紀乃にこの景色を見せたかったんだ。……由紀乃だけに、見せたかった」
そう言って大翔さんはわたしの後ろに回ると、わたしを後ろから優しく抱きしめてくれる。
「大翔さん……」
大翔さんは本当に優しい……。