【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「いつか大切な人と、ずっとこの景色を見たいと思っていたんだ。……俺の大切な場所だから、大切な人にだけ見せたかった」

「……ありがとう、大翔さん」

 大翔さんの優しさに、わたしは少しずつ惹かれていることに気づいた。 大翔さんにこうして抱きしめてもらえることが、嬉しくて仕方ないのだ。
 大翔さんにキスをされると、胸がドキドキして、鼓動が早くなっていく。

「大翔さん……わたし……」

 ーーーわたしは、大翔さんのことが好きなんだ。 大翔さんのことが、どうしようもなく好きなんだ。

「……由紀乃? どうした?」

「わたし……。大翔さんのことが、好きです」

 どうしようもなく好きになってしまった人だから、この気持ちにウソをつくことなんて出来なかった……。

「好き……なんです」

 恋愛経験不足なわたしが、こうして誰かを好きになることが出来たのも、大翔さんのおかげだ。
 大翔さんと結婚したからこそ、この感情が芽生えたのだ。 
 だけでどうしてなのか分からないけど、涙が出そうになってしまう。

「由紀乃、俺も好きだ」

「……え?」

「俺も由紀乃のことが好きだ」
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