【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


 そして大翔さんは、わたしのその左手の薬指に結婚指輪をそっと優しく嵌めてくれた。

「……キレイな指輪」

「よし、サイズもピッタリだな」
 
 小さなダイヤの付いたその結婚指輪は、とてもキレイに光り輝いていた。

「似合ってるよ、由紀乃」

「……ありがとう、大翔さん。すごく嬉しい」

「ちなみに指輪の裏には、お互いの名前を刻み込んだ」

 え?お互いの名前が入ってるの……?

「俺は由紀乃と名前を入れた」

「わたしのは……あ、大翔って書いてある」

 わたしの指輪には、大翔さんの名前が刻み込んであった。

「これで俺たちは、ちゃんと夫婦だ。 何があっても、俺は由紀乃のそばから離れたりしない」

「……大翔さん」

「スイーツと同じくらい……いや、スイーツよりも甘く、俺は君を愛すると誓おう」

 そう言った後、大翔さんは再びわたしを抱きしめてくれた。

「大翔さん……わたしも、愛してほしいです」

 スイーツよりも甘く、そして優しく大翔さんに愛されたい。……まさかこんなことを思う日が来るなんて、思ってもなかった。
 わたしって意外と【欲張り】なのかもしれない。
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