【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
と、片山さんは言った。
「えっ?」
「確かに。副社長ってああ見えて、フルーツ大好きですもんね」
えっ、そうなの……!? 大翔さんって、フルーツ大好きなんだ……。
「そういえばこの前、副社長ホテルでの打ち合わせ終わった後、フルーツの盛り合わせ持ち帰ってたよね?」
「……あっ、あれか」
大翔さんがこの前、お土産だと言ってフルーツの盛り合わせを持って帰ってきてくれたことがあった。 あれはその時のなのか……。
「ねぇ、天野川さん」
「はい?」
「副社長って、家ではどんな感じなの?」
大翔さんが、どんな感じかって言われても……。
「そうですね……」
結婚してしばらく経つけど、大翔さんのなんていうか……。独占欲とでも言うのだろうか。
家ではわたしのそばから離れたりしないのだ。
でもそんなことをここで言うのは、恥ずかしいから……。
「家でもあんな感じ……ですよ」
「ええっ、本当に?」
「は、はい」
って言うことにしておこうかな……。
「そっか。 副社長はやっぱり冷徹な人なんだね」
「予想通りか」
会社ではクールで冷徹な副社長、大翔さんだけど……。