【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
「由紀乃がスイーツを食べてる姿を見てると、俺も幸せだと感じるよ。 由紀乃の笑った顔が、好きだしな」
「そ、そうですか?……ありがとうございます」
なんかそう言われると、ちょっと照れる……。
「由紀乃、食事の用意は出来てるか?」
そう聞かれたわたしは「はい。出来てます」と答えた。
「今日は大翔さんが食べたいと言っていた、ハヤシライスを作りました」
「お、それは楽しみだな」
「すぐに温めますね」
わたしは大翔さんからもらったスイーツの袋を端っこに置き、キッチンでハヤシライスを温めた。
「美味そうな匂いだな」
気が付くといつのまにか、大翔さんがわたしの後ろにいた。
「ご飯は普通盛りにしますか? それとも、大盛りにしますか?」
と問いかけると、大翔さんは「じゃあ大盛りで」と答えた。
「分かりました。大盛り、ですね」
大翔さんはわたしの作る料理を、いつも美味しいと食べてくれるから、わたしも作り甲斐がある。
「大盛りって、これくらいですか?」
「そうだな。そのくらいでいい」
そう言われたので、お皿にハヤシライスを盛り付けていく。