【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


「いただきます」と二人で手を合わせ、スプーンを手に取る。

「熱いので気を付けてくださいね、大翔さん」

「分かってる。……熱っ!」

 と言いながら、熱々のハヤシライスを口にした途端に、大翔さんは熱そうな顔をしていた。

「だから言ったのに」

「熱々だな……油断した」

 だけど大翔さんは、美味いと言いながらハヤシライスを食べていた。

「ハヤシライス美味いな」

「はい。わたしもハヤシライス、大好きなんです」

 ハヤシライスってなんでこんなに美味しいのだろう……? カレーも美味しいけど、ハヤシライスが一番好き。

「俺もハヤシライス、好きになった」

「本当ですか? 良かったです」

「今度は、由紀乃の作ったチキン南蛮が食べてみたいな」

「チキン南蛮、ですか?」 

 チキン南蛮か……。いいな、チキン南蛮も美味しそう。

「じゃあ今度は、チキン南蛮作りますね」

「それは楽しみだな」

「美味しく作れたらいいんですけど」

「由紀乃なら作れるさ。こんなに美味い料理を作ってるんだから」

 そう言われたわたしは「ありがとうございます、大翔さん」とお礼をした。

「由紀乃の料理は世界一だ」
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