【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
ガシャン……!!
「やばっ……!」
わたしはパソコンをしまおうとした衝撃で、紅茶の入ったカップを落としてしまった。
「やっちゃった……」
カップを拾おうと座り込んだその時……。
「大丈夫ですか?」
と声をかけてくれた人がいた。 てっきり店員さんかと思い「すみません、落としてしまって……!」と伝えたのだが……。
「……えっ!?」
来てくれたのは店員さんではなく、後ろの席で会話をしていた天野川大翔であった。
「ケガは?」
「あ、いえ……。大丈夫です」
まぁ一ヶ月も前のことだし、わたしのことなんて覚えている訳がないと思ったのだが……。
「あれ?……君、前に会ったことあるよね?」
そしてわたしのその姿を見た天野川大翔から、そう告げられてしまった。
「え……」
ウソでしょ……。まさか、覚えているの?
「ほら、前にここで会ったことあるだろ? 確か君が躓いて転びそうになったのを、俺が助けたよな?」
ま、マジか……。なんで覚えているの? 一ヶ月も前のことなのに……。
覚えてることに、ビックリなんですけど……。