【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


 だけどそのままで食べるとすごく美味しいから、また食べたくなること間違い無し。

「最後は紅玉ね」

「待ってました!」

「いただきます」
  
 最後は紅玉(こうぎょく)だ。紅玉は普通のリンゴと比べても200g程しかない、小ぶりのリンゴだ。
 表皮が名前の通り真っ赤に色付き、果肉は緻密でしまりがあり、煮込んでも煮崩れしにくい肉質をしているようだ。 
 甘味は十分にある。でもそれ以上に酸味がしっかりとしているから、リンゴの香りも活き活きとしている。

「ん〜甘酸っぱい!」

「でも美味しい……!」

 紅玉はわたしも初めて食べたけど、どのリンゴに比べても甘酸っぱさが強い。甘みもそうだけど、後から来るこの酸味はまさに絶品だ。
 煮崩れしにくいという観点から見ると、一番アップルパイに適していそうなのは、紅玉なのかもしれない。

「紅玉のこの酸味、しっかりしてますね。他のリンゴに比べても小ぶりだけど、この甘酸っぱさはさすが紅玉って感じですね」

「そうね。 それに煮崩れしにくいっていうのも、作る時の候補には上がりやすいわね」

 紅玉……美味しい。 これでアップルパイにしたら、最高かもしれない。
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