【新作】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
【新たな戦略とカギとなるもの】
次のステップ
「じゃあみんな、これに試食したリンゴで美味しかったもの、そしてアップルパイにしてみたい品種を選んで丸をしてください」
「分かりました」
全部のリンゴの試食を終えたわたしたちは、まず第一段階でどのリンゴをアップルパイにしたらいいか、というアンケートを取った。
投票の結果だけで言うと、やはり圧倒的に人気が高かったのはジョナゴールドとシナノスイートの二つであったため、今度はその二つをアップルパイとして試作することにしたのだった。
「今度の試作では、砂糖の量とハミチツは同じままにしましょうか。 リンゴのシャキシャキ感を少し残したいから、リンゴを煮詰める時間を少し短くしてみましょう」
片山さんの一言に、わたしたちは「はい」と返事をした。
「それとパイ生地なんだけど、パイ生地に練りこむバターの量をもう少し増やしてみたいと思ってるんだけど、みんはどう?」
パイ生地の、バターの量を増やす……?
「パイ生地、ですか?」
「ええ。パイ生地のバターの量をもう少しだけ増やすことで、口に入れた瞬間の風味がもっとフワッと香るんじゃないかって思ったの」