【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜
その翌日、わたしたちは新しい品種を使いアップルパイの試作作りを開始した。
「天野川さん、こっちでリンゴ切るの手伝ってもらってもいい?」
「もちろんです」
わたしは包丁を片手に持ち、リンゴの皮を剥き始めていく。
「さすが天野川さん、手付きいいね」
「そうですか?ありがとうございます」
包丁捌きを褒められるなんて、嬉しいな。
「うーん、いいニオイ」
リンゴを剥いていくと、リンゴの甘酸っぱいいいニオイが広がってくる。
この甘酸っぱい香りがたまらないんだよね。
「お待たせしました。リンゴ出来ました」
リンゴを食べやすい大きさの角切りにした後、ボウルに入れた。
「あ、ありがとう、天野川さん」
リンゴを切り終えると、奥の部屋ではちょうど新しい生地の製作が行われていた。
「片山さん、生地どんな感じですか?」
「今から試しで焼き上げてみるところなの」
どんな生地になるのか、とても楽しみだ。
「片山さん、今から生地焼いてみます」
「お願いします」
いよいよ、新しい生地の誕生か……。
どんなものになるのか、なんだかワクワクしてきたな。