【完結】クールな副社長に、一億円で愛されることになりました。〜アップルパイに愛を込めて〜


 リンゴが煮詰まりすぎない程度に煮詰めて火を止めた後、濡れ布巾の上で鍋を少し冷ましていく。

「天野川さん、小野さん、生地焼けたよ」

「分かりました。すぐ行きます」

 焼けたばかりの生地を確認していくと、バターの香りがふわっと香ってきた。

「いいニオイ〜!」

「バターの香りだ!」

 バターの量を増やしたせいなのか、生地からいつもよりもバターの香りがふわっと香ってくる。

「これだけで充分美味しそうですね」

「今回はバターを多くしただけだけど、このバターの香り、たまらないわね」

「ですね。すでに食べてみたいですね」

 こんなにバターの香る生地とリンゴの香りがマッチしたアップルパイなら、めちゃめちゃ美味しく予感しかない。

「とりあえず、リンゴを乗せて焼いていきましょうか」

「はい」

 すでに美味しそうなこの状態が、更に美味しくなるのではないかと思うと、今からすごくワクワクする。

「楽しみですね、片山さん」

「そうね。わたしもすごく楽しみだわ」
 
 大翔さんにも、早く食べさせてあげたいな。 大翔さんに美味しいって言ってもらえるその日が、楽しみになるな。
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